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知床の遺跡について

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今日は北方民族博物館にて 講座「知床の先史時代」を受講してきました

知床博物館学芸員の方が講師で発掘時の貴重なお話を聞く事が出来ました

人生の中で一番ノートをとった日だったと思います

ノートと言っても殴り書きなのでここに纏めていこうと思います(自分の記録なので途中意味不明になる事もあります)

 

 

知床にはどのくらいの遺跡が確認されているのか

現在知床がある斜里町には380ヶ所の遺跡が発掘されています

北海道で一番遺跡が多い市は札幌市で541ヶ所、2番目が北見市で478ヶ所ですが

北見市は合併により常呂町等の遺跡が増えたため多くなったのでそれ迄は斜里が2番目に多かったとの事です。どの遺跡も主に縄文中期の遺跡が多く約3千年~4千年前の物が出土されているそうです

(講師の斜里町愛を感じたのと札幌市が一番多いなんて知らなかったな~)

知床の遺跡の分布から見えてきた特徴は

標高10mを境にして人々の暮らしに変化が見られる

縄文時代~擦文~オホーツク~トビニタイ~アイヌ時代と人々の生活跡を見ていくと海抜に影響されている事がわかる。縄文の遺跡は海岸より遠い場所から見つかりオホーツクになると近くから見つかる事で大きく影響していた海の高低・・・縄文時代は海が遥かに遠かったって事らしいです

(うまく説明出来ないから保留・・( ´艸`))

知床で石器時代の石器が出た事の驚き

知床周辺は泥炭地や砂丘や火砕流(軽石)しか無いのに旧石器なんかある訳無いと言っていたらあった!って言う事実

越川遺跡は旧石器時代の23000年前の遺跡だそうだ これだけ古いのは無いらしい

旧石器時代の物を地質的に無いと思って調べる事はしていなかったらしいのですが、農家の方が畑を耕していたら重さ20㌔の黒曜石が出てきて当時見てもらったが意見がバラバラで他に何か無いか全部貰って見てみたら1点だけ旧石器の石角が出てきたのでその辺にもあるぞ!って事で調べていかないと駄目だねって考える様になったんですって

(その辺の畑から出てくるんですね)

 

知床岬の先にあるもの

知床岬に行ったことがある人は地元でも少ないですよね

(車で行けないから歩いて行くしか無いし船で行ける人は行けるけどアメリカ行くより難しいかもしれないなと思う場所だよな~(((^^;))

「地の果て」なイメージで何にもない感じがするけれど色んな人が生活していた跡がある様です

一時期は鹿が多くて短い草しか無くなってしまっていましたが、鹿が少なくなってきたので大きい植物も生えてくる様になったらしい

川は一見無いように見えるんだけど山からの伏流水があるから人々はこの水で生活していた様です。

知床岬からは「国後島」が直ぐそこに見えるから船でちょっと漕いだら着く様な感じなので国後の故郷に帰りたくても帰れない人の事を想ったりするとの事ですよ

 

チャシコツ岬上遺跡

知床に行く途中に亀の形をした岩があるんだけれどその岩が「チャシコツ岬」って言って地元では「亀岩」って呼ばれている岩の上に遺跡があるのです

岬の上にホーツク文化末期の遺跡が出土しておりその稀な出土品等から今年、国の史跡に指定されることになった!!中でも興味深い出土品が下の記事になっている奈良時代の貨幣

オホーツク海に面した北海道・知床半島のチャシコツ岬上遺跡(斜里町)で、古代律令国家が発行した皇朝十二銭の一つで奈良時代に造られた「神功開宝」が出土し、町立知床博物館が16日までに発表した。古代の銅銭貨幣の発見としては国内最北で、同博物館は「オホーツク文化が、近畿の律令国家と交流していた可能性を示す資料だ」としている。
見つかったのは1枚で、直径約2.4センチ。真ん中に四角い穴が開いており「神功開寳」と記されている。皇朝十二銭は奈良時代から平安時代に国が発行した12種類の貨幣の総称。神功開宝は3番目に当たる。
オホーツク海沿岸では5~9世紀、海洋狩猟をなりわいとしたオホーツク文化が栄えた。同遺跡は、その終末期にかけて発展した集落跡とされている。皇朝十二銭は道内ではこれまで、恵庭市や千歳市などで見つかっているが、オホーツク文化の遺跡から出土したのは初めて(日本経済新聞) 

 断崖絶壁だから皆命綱を付けて発掘調査したんだって~階段も無いから大変だったと上は意外と平らで広くて海が見渡せるから、くじらや船が来た時には直ぐ分かる場所だったんだねと でも「僕はこんな所には住みたくない」( ´艸`)

遺跡の中には下から持ってこないと無い大きな石がありトビニタイ文化(オホーツクと擦文の融合文化)の儀礼だと思われる事からもオホーツク文化終焉の頃の遺跡だとの事です。31ヶ所の住居跡がありこの一か所で31の住居跡、断崖絶壁な岬上と奈良時代の貨幣ってところが国の史跡になる要素なんですって(まだ今時点では予定ですがなる事は決まっているとの事です)

何か分からない出土品もある様です!たまに分からないっていいな~何でも分かったらミステリアスな部分が無くなって面白味が無くなるよね

旭川の学芸員様の本を読んだときにこのチャシコツ岩についての記述があってアイヌ人との闘いがあったと書いてあった気がした そしてオホーツク人は本州へ交易に出ていたと書いてあったのでその本州も秋田辺りだった記憶があるからそこから貨幣は来たのでは無いかと思う(講師に聞いたらその本が今一番新しいオホーツク文化を纏めたものだとの事だったのでもう一度読み直してみないことには・・)

 

ちなみに網走のモヨロ貝塚はオホーツク文化の一番華やかだった頃の遺跡でチャシコツはオホーツクが終わりトビニタイ文化になっていく時代の遺跡だそうです

知床地区に国指定の遺跡が無かった事にもびっくりしましたね

f:id:ekarin:20190203153417j:plainチャシコツ岬(亀岩)

 

その他のミステリアスな遺跡

ピラガ丘遺跡では縄文時代の「火葬」された人骨が出ていて一部だと富良野でもあるのですがピラガ丘では全身での火葬人骨だそうです。頭にはサメの歯で出来たアクセサリーが付いていた様でそのサメも2種類「ホオジロサメ」と「アオサメ」の歯

 

 オクシベツ川遺跡

ストーンサークル!

円周になっていて石が立てて置いてある これは講師の方が「これは色々探したけど何か分からないんです」ミステリアスでいいですね~昔何度か行ったことがあるのですが春になったら行ってみよう 若い頃はただの石じゃん!って思ってたかもしれないそんなに深い思いで見てなかったよな・・

 

 朱円周堤墓地群

縄文時代後期の墓地で円になっている 二ヵ所発見されていて積み石が特徴的

芦別と此処だけにしか無く出土品の石棒は岩手県で取れる石だそうで、北海道では深川で若干取れるらしいがここでは取れないのでおそらく岩手県の石で作った物が北に渡って来たのでは無いかと言われてる 縄文後期は特異性があり元になっているのは東北地方なのでこの地に埋められている人達は移動してきた本州の人なのではないかとの事だ

 

文化財を失わないためにするべきこと

一番多いのは開発工事により失われるケースだそうですが青森県の遺跡や吉野ケ里遺跡等大きすぎて破壊するのはどうかと思った所は残ったらしいですが多くは破壊されているとの事です ただ最近では工事関係の方が「出ちゃった」って感じで出ちゃったら工事方法を変えてくれる様になったんだって 壊さない様な工夫をしてくれているんだって 有難いですよね工事の方に感謝です

文化財を失わないためにするべきことは一番は自分の市町村に何があるのか知るって事だと思います と講師がおっしゃってましたがその通りだと思いました

 

文化財を活用するには

有効なのは文化財がどこにあるのかを表示すること 文化財MAP等を作る スマホでもいいものを使いながら直ぐに行ける様にすること

文化財の大事な物ってお蔵に入っているんだけれど積極的に出して見て触ってもらうこれが大事ではないか その機会を作っていくべきだと の最後のお言葉にとても感激しました

本当にそう思う 一般人が見れない超貴重な物ってどーするの?っていつも思っていたんだけどそれっていつどーするの??って有るんだから見せろよ!!って思っていた

お寺や神社に眠っている物とかね・・・

 

アイヌ文化

講師曰く アイヌ文化については現在ちゃんと調べられていないんだそうです

アイヌ文化はやはりデリケートな部分もあるので難しいのかなと思いますが徐々に緩和されている状況でもある様なのでこれから分かっていく事が沢山出てくるのかもしれませんね 

 

最後にあの質問をしてみた

この人なら答えてくれるはずだ!と思い質問してみました

「いつの時代からなら墓を掘り起こして展示して良いのですか?」

 

「考古学的には100年前です」

ひゃ~100年前って直ぐそこの人じゃないですか!!!

 

とは言え100年前はね~やはり問題も出てくるのでって事で学芸員の方達?では

江戸時代位から前かな~でも100年前で良いなら明治時代のはどうするかも考えるよね~う~ん色々考えるよね~て言ってましたが100年って考えると私たち現代人も掘り起こされるの遠い未来の話じゃない気がしますね って年配の男性2人と一緒に話をして終わりましたよ

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オホーツク式土器 初期



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オホーツク土器 後期